2019年8月23日|カテゴリー「外国人介護スタッフ
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介護スタッフ不足を解消するために、技能実習制度などを利用して
外国人介護士に働いてもらおうと考える施設が増えてきています。
しかし、その中で「きちんと日本語を使ってコミュニケーションを取れるのか?」という点が気になるのではないでしょうか。

今回は制度ごとに必要になる日本語能力について、またその能力がどのくらいのレベルなのかをご紹介いたします。


日本語能力試験とは

日本語能力を調べるための試験として有名なのが「日本語能力試験(JLPT)」(https://www.jlpt.jp/index.html)と呼ばれるテストです。
日本語を母国語としない人向けのテストとして、年に2回実施されています。
日本はもちろん世界各地で受験することのできるテストになっています。
リスニングの「聞く」試験と正しい文法や文字、漢字を答える「読む」試験で成り立っています。
マークシート式のため書く試験はありません。

難易度の高いN1から簡単なN5までの5段階の難易度が設定されています。
合格率としては一番やさしいN5を除くと30~40%、N5で約50%となっています。

実際に必要な日本語能力は?

外国人が介護の仕事で働くためには一定の日本語能力を持つことが必要です。

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技能実習制度を利用する場合、入国時は「基本的な日本語を理解することができる」N4相当の能力を求められます。
基本的な語彙や小学校低学年で習う程度の漢字を使った文章を読むことができる、
ゆっくりとした日常会話を聞き取ることができるレベルとされています。

ただし、入国から1年以内にはこれより1つ上の難易度であるN3に合格する必要があります。

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N3は「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」レベルです。
より難易度の高いN1・N2に対する橋渡しのような形になります。

日常会話や文章でもある程度まとまった量の文章を読んだり聞いたりして理解する、
言い換えた表現(どんどん⇔次々、など)で正しいものを選ぶなど
より日本語についての理解と学習が必要なレベルです。

イメージとしてはN3レベル相当である程度は日本語だけを使って仕事ができる、という形になります。


EPA(経済連携協定)の場合、インドネシア・フィリピン・ベトナムの各国で日本語の訓練が行われます。

インドネシア、フィリピンの場合は6か月間の日本語学習で一番簡単なN5に合格して初めて日本へ送り出せる形になります。
また来日からの6か月間も日本語教育を行い、最終的にN3への合格を目指します。
ベトナムの場合は母国で1年間の学習を受けN3に合格後、来日します。
どの国でもN3を取得後に実際に福祉施設で働く形になります。
そのため、施設で働くときには既にある程度日本語ができる状態です。

しかし、継続して働き続けるために必要な「介護福祉士」の資格を取れるのが未だに50%前後のため、
期限である3年以内の資格取得ができずに帰国しなければならない可能性もあります。


留学制度を使用する場合、最低限N5相当を求めることが多いです。
ただし、基本的には受け入れる学校の判断に左右されます。

実際の介護の現場としては一定のコミュニケーションが取れるN3が望ましいと考えられますが、
日本人と同等の内容を教育したいため「日常的な場面だけでなく、幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる」N2を求める学校もあります。
その一方で定員数確保のために必要なレベルを下げて人数を確保する学校があることも否定できません。

受け入れる学校によって留学生の質が全く異なる可能性がある、ということは覚えておく必要があるでしょう。


入国してからも日本語教育の機会が必要

このように方法によっては日本語レベルが全く異なり、
同じ方法で入国した外国人介護士でも日本語能力にバラつきが出る可能性は十分にあります。

日本語が話せないと周りとコミュニケーションが取れないことから離職に繋がってしまうことがあります。
また介護に関する日本語は常にアップデートしていくことが必要なのではないでしょうか。
一方的にこちらから日本語レベルを要求するだけでなく、入国後も日本語学習をする機会を作ることが大切です。