2019年6月21日|カテゴリー「外国人介護スタッフ
悩む介護スタッフ

介護の現場では、人手不足が叫ばれています。
「やりがいのある仕事のはずなのにどうして?」
「このままでは業務に支障が出て、経営にまで支障が出るのでは?」
そう感じてはいらっしゃいませんか?

そんなあなたに「介護現場の人手不足」いくつもの原因と対策、
人材確保の方法についてご説明します。
人材不足解消のヒントを得ていただけるはずです。


介護業界ではどれだけ人材不足を感じているの? その理由は?

「人手不足でサービスが回せなくなるのでは…」
そう思っていませんか?
介護業界全体の状況を、各種調査からみてみましょう。
次の図を見てください。
なんと66.6%もの事業所で「人手不足」を感じているとの結果が出ています。
■図1 「平成29年度 「介護労働実態調査」の結果│公益財団法人介護労働安定センター」

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人手不足の理由/原因は、「採用が困難」「離職率が高い」「事業拡大によって必要人数が増大した」の順となっています。
採用が困難な理由については、「同業他社との人材獲得競争が厳しい」
「他産業に比べて、労働条件等が良くない」が挙げられています。

■図2 「平成29年度「介護労働実態調査」の結果│公益財団法人介護労働安定センター」

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介護の現場で起こっている「人手不足の原因」

介護職の人手不足の原因となる離職は、職場での心理的・身体的負荷が上位を占めます。
上位3位は、以下の通りです。

1.職場の人間関係に問題があったため
2.結婚・出産・妊娠・育児のため
3.法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

■図3 「平成29年度「介護労働実態調査」の結果│公益財団法人介護労働安定センター」

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結婚や出産など、人生においてのイベントがきっかけなら致し方ないところです。
ですが、職場での人間関係トラブルや、介護サービス事業者の方針に不満を抱いてしまったという理由で職場を去る人が多いのは、
とても残念なことと言わざるを得ないのではないでしょうか。


介護の現場で起きる人手不足に先手を打たなければならない理由

上記のように、人材不足が起きる理由は様々です。
ですが、単に「人手が足りない」「職員確保のめどが立たない」と手をこまねいているわけにはいきません。

・経営が成り立たなくなる
・人員基準を満たせなくなり指定の取り消しを受ける
・サービス利用者の安全を確保できなくなる
・精神疾患労災による離職が増加する

この4つの大きな問題を生んでしまいます。

人員不足が慢性化すると、利用者の受け入れが難しくなり経営上の問題を生んでしまいます。
深刻な人材不足は、対応できる利用者をどんどん減少させ、収益を縮小させてしまうからです。
そのような状態から脱却するため、多くの媒体に広告を打ったり、いくつもの人材紹介会社に登録したりすれば、
さらに資金面で圧迫されてしまうことになるでしょう。

慢性的な人手不足が継続していると、業態に応じた人員基準を割ってしまい、
最終的に指定の取り消しにまで発展することがあります。
行政による改善勧告を受けてから人材確保に動くのでは、間に合わないことでしょう。

人材の安定化/定着化を常に心掛けておかなければ、
ある日突然「指定取り消し処分」を申し渡されることも考えられます。

■図4 「都道府県・市町村が実施する指導及び監査の流れ│厚生労働省」

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介護にあたる人手が不足すると、利用者の安全確保が難しくなります。
人材ひとりあたりの受け持ち利用者が増えると、転倒・転落をする、誤嚥するなど、
生命の危険に直結する事故も増えてしまいます。
このような事故は、ほんの一瞬目を離した瞬間に起きるものです。

このような事故が増えると、介護スタッフの心理的ダメージも積み重なりますし、
うわさを聞き付けた利用者が離れていくこともあるでしょう。

■図5 「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業報告書│公益財団法人介護労働安定センター」 http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h30_kaigojiko_houkoku_20180402.pdf

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状態的に人手不足状態が続くと、スタッフ一人ひとりの業務負担が増え、
精神疾患労災を伴う離職が増える可能性が上昇します。
実際、平成29年度の精神障害の請求件数の多い業種トップは「社会保険・社会福祉・介護事業」、
精神障害の支給決定件数の多い業種の3位も「社会保険・社会福祉・介護事業」です。

■図6 ■図7 「平成29年度精神障害に関する事案の労災補償状況│厚生労働省」

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うつや、うつに近い状態で離職するスタッフが現れれば、他にも同じような状況にある人員がいないか確認しましょう。
そもそも、体力的にも精神的にもぎりぎりで働いているところ、スタッフが一人、また一人と離職していくと、
その穴をふさぐためさらにつらい労働環境に耐えなければならなくなってしまいます。

。また、労災事故を起こしてしまうと、使用者は民事責任、刑事責任、損害賠償責任を負うことになります。
さらには、いわゆる「ブラック企業」と認識されてしまい、求人への応募者も激減してしまいます。


介護の現場で人手不足が起こる社会的背景

介護現場の人手不足の原因、社会的背景は、端的にいうと「少子高齢化」「家族のあり方の変化」です。
人員不足を深く理解するためには、私たち日本人の置かれている環境も知っておかなければなりません。
人手不足も今後「致し方ないこと」となっていく、とわかるはずです。

・少子高齢化
・非婚
・核家族
・ダブルケア

特にこの4点から、介護現場の人手不足についてご説明します。

介護の問題が浮上してきたのは、「少子高齢化」が原因であることは、
介護施設の経営者や介護の現場にいる人材にとって既に当然のこととして理解されているでしょう。
高齢者の数に対し、働ける世代にある人(生産人口)は年々少なくなっています。
特に、団塊の世代が一斉に後期高齢者となる「2050問題」は近い将来のことで、
今後さらに人手不足は深刻なものとなるでしょう。

介護を必要としない「健康寿命」は、

・男性=72.14歳
・女性=74.79歳

とされていて、後期高齢者(75歳)となる前に、何らかの支援/介護を必要とする状態となっているのが現代日本人のすがたです。

■図8 「平成30年度高齢社会白書(概要版)│内閣府」

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生産人口が減っているのは周知の事実ですが、若い世代は「結婚しない」といった方も少なからずいます。
そのような状態にあって、仕事をしながら親の介護をすることはとても困難です。
この場合、何らかの介護サービスに頼らざるを得ないといえます。

個々人の暮らし方を尊重する「核家族化」が、親の介護をしづらくしてしまっているケースも多くあります。
核家族は、親も子も自由に、好みのライフスタイルで生活することができますが、
いざというときに介護を担えないということも少なからず生じます。

特に、子が親元を離れ遠方で就職しているとき、介護を施設や在宅介護サービスに依頼せざるを得ないことも多くあるのです。

生産人口にある方たちが結婚、出産しても、
子の世話と親の世話をしなければならない「ダブルケア」に遭遇することも少なからずあります。
そうなれば、どうしても親の介護を施設やサービスに頼らなければならなくなります。

共働きが一般的である今、仕事に加え、子と親の世話をこなすのはとても困難です。

■図9 「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査│内閣府」

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介護の現場で人手不足が起こる理由と解消法3つ

介護の仕事は、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」というネガティブなイメージがあります。
それでなくても生産人口が減っている今、どのような業界でも人手不足は起きているのが現状です。
求職者側も「できれば3K職場は避けたい」と介護以外の仕事を選びがちなのも仕方ないことかもしれません。
ですが、このままでよいわけはありません。
介護は、人のお世話というとても大切な仕事です。

1.業務の効率化
2.国の施策の活用
3.外国人労働者の活用

この3点から、今から2050問題に対する対応をしておかなければならないと思いませんか?

介護の最前線で人手不足による激務を解消するひとつの方法は、ITやロボット導入による業務効率化です。

・情報のデジタル化=申し送りや会議の時間の短縮、最新のマニュアルに常にアクセスできる、
手書き資料の作成/過去情報の探し出しにかかる時間が不要になる
・ロボット導入=介護スタッフの身体的負担の軽減、
排泄にまつわる(介護スタッフ・要介護者の)心理的負担の軽減、要介護者状態の見守り効率化

ITツールや機械に任せられるところは任せ、スタッフの負担軽減を行うことができれば、
離職率をぐっと減らすことも可能でしょう。

介護にかかわる人員を正しく評価し、定着率を上げるため、国も年々施策を見直しています。
たとえば、2019年10月には、介護報酬の改定となる「介護職員等特定処遇改善加算」の実施が予定されています。

施設や介護サービス運営事業者は、目の前の問題だけでなく、最新の施策に目を光らせるべきです。
国の制度は刻々と変わりますし、制度利用には各種の条件があります。
「補助金などのサポートの中で何が使えそうか」
「サポートを受ける条件を実現するため、どのような体制をとっておくべきか」と、
自社が今後どうなっていくべきかを中長期的に検討しておく必要があるでしょう。

業務の効率化、国の施策の活用条件を満たす以前に、とても大きな問題となっているのが人材確保の難しさです。
上でも触れたように、日本国内で介護職を選んでくれる人は少ないのが現状です。
また、今後さらに少子高齢化が進むことを考えれば、外国人労働者の活用も視野に入れておくべき、といえるでしょう。

国も、介護に従事する外国人人材の受入れを含む幅広い経済関係強化を目的としたEPA(経済連携協定)締結に乗り出しています。
EPA活用により、介護スタッフを受け入れるメリットは思いのほか多くあります。
・質の高い教育を受けた人材であること
・介護に関する国家資格取得が前提であること
・資格取得ができれば、長期にわたって雇用ができること


介護の現場での人手不足をカバーする「外国人労働者雇用」の問題点

いくら外国人労働者の受け入れが今後の介護の現場に必要かがわかっていても、
「雇用へのハードル」は高いのが現状でしょう。
上のEPAでは、認められる人材そのものが多くはありません。
技能はどうか、日本語でのコミュニケーションは問題ないのか、留学ビザでアルバイトをしながら介護の資格取得は難しくないのか…。

即戦力とはいかなくても、「成長の見込みのある人材選び」「施設側ニーズとのミスマッチの起こりづらい人選」は、
最低限行わなくてはならないことです。


タツフト「介護体験研修サービス」での成功事例

では、ここで私たちタツフトの「介護体験研修サービス」での成功事例をご紹介します。
施設側の課題や、サービス利用後に現れたプラスアルファの効果について、詳細にご説明しましょう。


東北のある施設では、増設に伴う人員確保が課題となっていました。
しかしベトナム人介護士受け入れはうまく進まず、実際に申し込みをしてもなかなか技能実習生の人数が確保できない状況が続いて悩んでおられました。


まず、ピックアップしたキルギス人の入職希望者10数名とテレビ電話を介した面接で4人に絞りました。
実際に研修が始まると、現場では「思った以上に抵抗感はなかった」「興味・関心が高く、すぐに仕事を覚えてもらえた」
「“海外の人がこのように仕事ができるなら、私たちももっとがんばらなければ”と触発された」
といった反応があったそうです。

その施設は、入所者だけでなく、地域社会に開かれた施設として機能しています。
海外の人に触れる機会の少ないその地域の高齢者にとっても
「日本語を教えてあげたい」「日本文化を教えてあげたい」など、意欲向上の効果もみられたというのです。

もちろん、介護の仕事に就きたいという研修者側にも大きなメリットがありました。
介護体験研修を通じて、研修生も介護の仕事だけでなく、施設(職場)の雰囲気を事前に知ることができますので、
ビザ取得後に働く場所についての理解が深まっていました。

このように、「受け入れ側・研修生側・入所者や利用者」の三方よしが実現したのです。
雇用側・研修生がともに納得できる高いマッチング率が、スムーズな人員受け入れに大きな役割を果たしたといえるでしょう。

技能実習に向けて介護福祉施設で勉強するキルギス学生
技能実習に向けて外国人が介護の研修を受けているところ

技能実習に向けて外国人が介護の研修を受けているところ
技能実習に向けて外国人が介護の研修を受けているところ
同施設では、次のような感想をお持ちです。

「介護業界の人手不足はどこででも生じている問題。
少子高齢化に対応するため、外国人への期待もあるが、少なからずお互いにリスクがある。
受け入れ前のマッチングは、施設側・研修生側双方によい仕組み」

今後も、私たちタツフトでは、この施設へのサポートを続けていきます。


まとめ

私たちタツフトでは、キルギスで介護技術を学んだ学生と、日本で人手不足に悩む介護事業者さまとのマッチングを行っています。
学生は3カ月間御社施設で研修を積み、相互に納得できれば、本格採用(技能実習・特定技能など)に進みます。
研修期間の「顔合わせ」で、お互いに信頼関係ができているでしょうし、
入職時には即戦力に近い人材として活躍が期待できます。

実際の就労までには各種手続きがありますが、御社にマッチしたプランのご提案も行いますので、ぜひ一度、ご相談ください。